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木漏れ日の降り注ぐ道を、栗色の髪の少女が歩いていく。
「リューリクさん、ウィンザーさん、ゼノンさん、早く!」
後ろを歩く三人組に声をかけながら、少女が走り始める。
「シルヴァネール、そんなに急がなくても、フランシスさんとアンナさんは逃げないですよ」
眼鏡をかけ、緑色の髪を持つ青年がシルヴァネールに声をかけるが、シルヴァネールはすでに桜並木を抜け、姿を消していた。
「……やれやれ」
眼鏡のブリッジをあげながら、青年が苦笑する。
「なあリューリク、それ持とうか?」
と、リューリクが持っているバスケットを指さしながら、砂色の髪を逆立て、筋骨たくましい青年が彼の隣りに立つ。
「気遣いありがとう、ウィンザー。でも平気ですよ」
「重い物は全部ウィンザーに持たせておけばいいんだ。これだけたくましければ、バスケットくらい小指だけで持てるだろ」
そう言いながら、鳶色の髪を肩まで伸ばした青年がウィンザーを見る
「それは無理だろ、ゼノン」
「おや、自慢の筋肉はそれさえも持てないのか?」
「……なんだと」
ウィンザーがゼノンを軽く睨む。
「二人共、そこまでですよ」
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