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放課後、誰もいない教室で、青春は繰り返される。
「先生っ、好きです!!お付き合いして下さい!!」
顔を真っ赤にしながらあたしは手を差し出した。
もちろん、ダメ元だって解ってるけど……若気の至り?青春の一ページじゃない、ちょっと無理しゃうよ、なんちゃって。
あたしは、握り返される事を切に願いながら手を差し出したまま静止している。
この沈黙、まさかOK?
なんて甘い事考えていたあたしはちょっと馬鹿かもしれない。
「はぁ……、面倒くさい。良いですか?僕は教師で君は生徒。付き合うなんて言語道断。そんな事も理解出来ない馬鹿を僕は彼女にしません」
そうだ、この先生はこの学校一冷たいのだ。
それにしても一生一代の告白を「馬鹿」で斬り捨てる?!
混乱しているあたしをよそに「じゃ」とか言い出し先生は踵を返し反対方向に歩き出した。
「ちょ、ちょっと待って下さい!!「待ちません。そんな事に脳を使うくらいなら、数学の公式一つ覚えなさい、姫川。次に赤とったら……容赦しませんよ」
「な、何をーーっ?!先生っ!あたし諦めませんからね!!」
「はぁ、その意気少しでも数学に注ぎ込んでくれません?……あぁ、頭悪いから配分の仕方が解らないとか?」
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