24021人が本棚に入れています
本棚に追加
/127ページ
くわぁふ、とブリューが欠伸を一つ。
うむ、春の陽気は眠気を誘うさな。俺も昼寝したくなる。
まぁ、今日も今日とてアトリエにて研究なんかねぇ。
これも息詰まったから息抜きに廊下でストレッチしてたらダリアに頼まれただけだし。
つーか考えてみるとダリアは助手の筈だよな? 普通、助手に頼み事されて上司は動くものなんだろうか? ……まぁ、俺は動いてんだからいいか。
トーマ
「ブリュー、城着いたら飯食おうぜ?」
ポンポンと跳躍を繰り返すブリューの背中を叩き、俺も欠伸を漏らす。
こりゃあ飯食ったら昼寝だな。
ブリュー
「ぁう?」
唐突にブリューの妙な声が聞こえたかと思うと、いきなり屋上から屋上への跳躍を停止し、一つの商店の屋上でブリューは下を覗き込んだ。
で、俺もなんだ? と覗き込んで見ると--
アカシア
『ジーくん、本当にこの道であってるんだよねぇ?』
ジーク
『…………ああ』
アカシア
『その割には何度も曲がったりして屋台でデザートなんかを買ってるよねぇ?』
ジーク
『…………嫌か?』
アカシア
『いや、嬉しいけど、さ。私は早く城に行ってトマをとっちめなければならない訳で』
ジーク
『…………アカシア。この店のジュースは美味しいそうだ』
アカシア
『え、ホント!? ……ってはぐらかすなぁぁぁあああ!』
…………落ち着け、俺。
最初のコメントを投稿しよう!