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「ぬ、ぐ」と呻く声が僅か後ろで聞こえる。俺の腰にびくびくしながら掴まるジークの声だ。
多分ブリューが移動する屋上の高さと、この風を切る速度にビビっているのかもしれん。
俺だって当初はびくびくモンだった。実際何回かはちびった経験がある。とはいえ、結局は慣れるモノで今じゃ屋上と屋上の間で跳んだ状態でも下にいるガキ達に手を振る位は出来るようになった。
トーマ
「恐いのかなぁ、ジークさんは」
ジーク
「…………俺が……高いトコ苦手なのを、知って言っているだろ」
トーマ
「まぁ、そうさな」
温暖な気候からか、噴水の水が少しづつ温かくなり始め、子供達が噴水広場で水の掛け合いをしてるのが目に映る。
『なはははは、私が王者だぁぁ』と噴水広場から陽気で呑気な叫びが聞こえた。
長い髪が水に濡れて陽光を反射し、キラキラと輝いている。そしてその後ろには水にぷかぷかと浮かぶガキ達。濡れたからかぴっちりと服が身体に張り付き、身体のラインをくっきりとさせている。
……あの巨乳は……
トーマ
「アカシアだな」
カメラを持ってきて撮影したくなるような姿だった。
しかしとっちめるとか言っていたから城に急ぐ事にする。
つーかアカシア、俺を捜す事忘れてガキと遊んでいたんか……
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