孤独

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私は横で笑う先生の顔を見ながら自然と言葉を発していた。 「先生…質問していいですか?」 「あ?…何?」 笑いのおさまった先生が私に視線を向けてくる。 「先生っていくつなんですか?」 「はぁ?見ればわかるだろ?」 「分からないから聞いてるんです。」 「何歳に見える?」 ニヤリと笑う先生に私は率直な意見を言った。 「ん〓、30位?」 「ぶっ!!」 私の発言を聞いて急に先生が吹き出した。 「てめー!!俺をどっからどう見れば三十路に見えんだよ!」 「えっ、もっと下なんですか?」 「ふざけんな!俺は25だ!」 「…えっ?25歳?うそっ…」 私があまりの驚きに言葉を失っていると、 「なんだ?その顔…まぢ腹立つ…」 「あっ!す、すいません。先生があんまり若いんで…つい…」 「ちっ…悪かったな三十路で…」 やたらと三十路を強調した先生の言葉に苦笑いを浮かべる私。 「あっ先生…家、私の家見えましたよ!」 私はその場の気まずさを誤魔化すために見えてきた自分の家を指差して走り出した。
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