昔話

2/11
前へ
/32ページ
次へ
「あるところに、一本の精霊の宿る桜が立っていました。 その桜は毎年、毎年、本当に綺麗な花を咲かせて…人々はその桜をたいそう愛でていたそうです。 精霊も人々の笑顔が見たくて…綺麗な花を咲かせるよう毎日桜の世話をしていました。 それから数百年間…桜は咲き続けた。 しかし、桜はいつの間にか花が咲かなくなり…人々からも忘れられていった。 それと同時に人々から『不思議な力』が無くなり、精霊を見る力も無くしていってしまった。 精霊は悲しくて悲しくて…泣き続けた。 しかし、その涙はいつしか止まり、精霊は眠りについていた。 それがあの『千年桜』の物語。」
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加