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｢きゃ!!｣
私は耳を抑えて膝に顔をうずめた。
雷は嫌いな訳では無いが苦手だ。
間隔を開けて遠くの方で雷鳴が轟く。
私はただただ雷が鳴り終わるのを待つしかできなかった。
しかし、神様は意地悪だ…
バーン!!!
私のいる…千年桜目掛けて巨大な光が落ちてきた。
一瞬のうちにして辺りが真っ白に包まれた。
(私…死ぬの？)
そう思いながら重たくなってきた瞼をゆっくりと閉じる。
(先生…)
この時先生を呼んだのはなんでだったんだろう…
とにかく私の記憶はまたもついえた。
｢桜ちゃーん!迎えにきたよ。｣
しかし呼び鈴を鳴らしても一向に桜が出てくる気配がない。
｢水内まだ寝てんじゃねぇーの…って開いた…｣
海斗が冗談のつもりで玄関のドアに手をかけたらいともたやすく扉が開いた。
｢え？｣
奈々と海斗は互いに顔を見合わせて中へと入っていった。
暫くすると真っ青な顔の二人が勢いよく家を飛び出していった。
水内家の前には雨でぬかるんだ土に二人の靴底がめり込んだ泥の足跡がくっきりと残されていた。
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