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「行ってきまーす!」
「こら、桜!お前口に物をくわえて走るな!」
一人の少女が慌ててパンを加えて家から飛び出していった。
木造の一軒家、決して広くもないそんな家に私、水内桜<ミズウチ サクラ>はおじいちゃんと二人暮らしをしています。
私の母や父は私が小さい頃に事故で亡くなって…それ以来母方のおじいちゃんの家に引き取られた私は毎日こんなやりとりをしながら楽しく過ごしています。
そりゃーお母さんやお父さんがいないのは寂しいけど…、私はまだ一人じゃない…おじいちゃんがいるから寂しくありません。
そんな私も今日から高校生。
私と同じ名前の花が咲き乱れる土手を歩きながらじっくりと高校生になれた喜びに浸るつもりだったのですが…
「ち、遅刻しちゃう〓!」
私は朝から全速力で学校までの道のりを走っていたのでした。
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