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｢つ…ついた…。｣
なんとかギリギリセーフで教室へと駆け込んだ私は担任が来ないうちに自分の席につくことにしました。
｢おはよう、桜ちゃん。｣
この私に対して満面の笑みで挨拶をしてくれている子は谷風奈々<ﾀﾆｶｾﾞ ﾅﾅ>ていって高校に入って初めてできた友達です。
｢おはよう奈々。｣
奈々は本当にいい子で可愛くてとても頭の良い子なんですよ。
なんたって入試で一番の成績で新入生代表の挨拶までしたんですから。
｢今日もギリギリだな水内…｣
このちょっと気の抜けたような声の持ち主は、土屋海斗<ﾂﾁﾔ ｶｲﾄ>。中学から一緒の腐れ縁な彼は面倒臭がりで普段はだらけてるけどいざという時は頼りになる奴です…たぶん…。
｢あんたには言われたくないわよ…｣
｢確かに…。｣
｢あっ!奈々まで…ひでっ。｣
私は奈々と顔を見合わせて笑う。
海斗は照れくさそうに頭をかいていた。
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