昔話

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「これ後10分で始まっちゃう!」 よく見ると確かに後10分後に開会式と書かれていた。 「あの馬鹿教師ー!」 海斗が雄叫びを上げている隙に私と奈々はクラスメートに呼びかけてみんな急いで体育館へと向かった。 なんとか間に合った私達は一年生の集団の中へと混ざっていった。 「あいついねーし…」 見渡すと、他のクラスの担任らしき人は数人いたが氷室先生だけは見つからなかった。 「これよりオリエンテーションを始めます。」 司会が次々にオリエンテーションの内容を語っていく。 「先ずはグループを作るみたいだね。」 私がそう言うと奈々が笑顔で頷いた。 「でもよ、グループ四人だろ?うちのクラスって確か奇数だよな?」 海斗の言葉を聞いて奈々がある方を指差しながら言った。 「なんか担任もグループに入るみたいだよ?」 奈々の指の方に視線をやると、確かに他のクラスのグループの中に担任が混ざっている。 「どうする?」 「どうするっていないもんはしかたねぇーべ…」 (確かにそうだけど…) 海斗の言葉も最もだがどこか煮え切らない気持ちでいっぱいになった。 「んで?人数足りてねーのここ?」 気がついたらいつの間にか私の背後に先生が立っていた。
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