6人が本棚に入れています
本棚に追加
「きゃ!!」
突然のことに私は思わず声を上げてしまった。
「一々騒ぐなよ…」
それに対して先生はとても面倒臭そうに顔をしかめた。
「どんだけ?」
海斗が思わず口からこぼした言葉にも、
「なんだ?文句あんのか?」
なんて言う始末。
「あの…そろそろ始めませんか?」
この険悪ムードを破ってくれたのは奈々だった。
睨み合っていた海斗と先生も同時に顔を逸らした。
「てか、なにすんの?」
床に胡座を組ながら頬杖をついた海斗が面倒臭そうに言った。
「取りあえず自己紹介してるみたいよ?」
「意味ねぇーな…」
「先生…」
(あんたそれでいいのか…)
「とにかく、私は水内桜っていいます。」
「谷風奈々です。」
「土屋海斗…。」
ところが三人がいい終わっても先生が自己紹介をし始めない。
「あの…先生の番ですけど。」
私がおずおずと聞くと、
「教室でしただろ…」
それだけだった。
暫く四人の中に沈黙が流れた。
「先生なんか面白い話してよ…」
「なんで?」
痺れを切らした海斗が先生に言ったが、キョトンとしたように首を傾げる氷室。
最初のコメントを投稿しよう!