皐月の章 揺れて揺れたら花束を

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仕事から帰ってきて、パンプスを脱ぎ、部屋に入ると、留守電のランプが点滅。 きっと母からだ。 「今度の休みは帰って来れるのかい?」 「まだわからないよ。仕事の都合もあるし」 私は一応母へ電話したものの面倒くさそうに素っ気なく話した。 「仕事ってそんなに忙しいの…?」 「うん、まぁ…」 「そうかい、忙しいことはいいことだね」 「うん……」 「何だか疲れた声しているね。きちんと食べているの?」 「だから、仕事で疲れているんだって」 「うん、そうかい」 「じゃ、もう切るから」 「風邪ひかないようにね」
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