卯月の章 嘘つきパン屋さん

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必ずと言っていいくらい五分遅れで、のんびりとやってくるバスが通る道にいくつかの店が並んでいた。 商店街という言葉よりも『名前もない通り』と呼んだ方がふさわしいのでは、と僕はこの町に引っ越して来て思った。 北海道にはまだわずかばかりの残雪が道路脇にあって、空気も多少の冷たさを残している。 そんな中、たまにポカポカとした日だまりが見えると、そこには猫の姿があったりして、何だか安心した気分になる。
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