卯月の章 嘘つきパン屋さん

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僕はつい先月まで学生だったのだ。 三月から四月へと移り変わって行く中で、学生だったのならば、沸き立ってくる若葉からの空気の向こう、どのように友達と戯れ遊ぶのかと、春がくるくらいでも、新鮮な気持ちになっていた。 学生を卒業してしまって、社会人になるということは何だか期待と不安、素直になってみたなら不安のほうがデカイかもしれない。 手探りからはじめなくてはならないし、友達と呼ぶよりは、職場の仲間と言うべき人との出会いの方が多くなるのかな、って。
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