733人が本棚に入れています
本棚に追加
/126ページ
この春俺はこの憂羅(ユウラ)学園に入学した
校庭では桜が蕾を膨らませ今にも咲こうとしている
俺達一年は皆体育館に集まり入学式が始まった
「えーではこれで平成20年度入学式を閉じます」
そう校長が言うと長い入学式が終わった
やっと教室に戻れると思った時
「えーでは今から新入の先生を紹介致します、では神屋先生ご登壇下さい」
そう言われ立ち上がった先生は黒髪で黒縁眼鏡の男
「皆さん初めまして、今年からお世話になる神屋健治と申します、教科は理科のほうを担当させていただきます、よろしくお願いします」
スピーカーから響くその声は低く冷静とした声だった
そしてお辞儀をして顔を上げる、そして次の瞬間
(………ん?)
俺はふとあいつと目が合った気がした
俺がそんなことを考えているとあいつはもう壇を下りてパイプ椅子に座っていた
気のせいだったのだろうか…
俺はそう思いながら体育館を後にした
.
最初のコメントを投稿しよう!