第2章『知略的悪魔』

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いたのは、デビル一人だけだった。 俺はすぐに奴がいた校門へ走った。報道陣が何人かいたみたいだが、そんなのは関係がなかった。 いや、奴がいたことに舞い上がり周りが見えなくなっていたのかもしれない。 これは俺達にとって嬉しい映像だ。すぐにでも秋山に電話を入れたかったが、息を切らせたまま奴と同じ場所に立っていた。すぐに足元から、辺りを見回した。 予想通りなにもない。 そりゃそうだ。 マーシャル基地から兵器を盗み出すくらいだ、証拠なんか残すわけないか。。また振り出しに戻ったのか。 俺は彼らからあの映像を借り、初恋でフラれた時以上に落ち込んで署へ戻った。 1982年4月 戻ってすぐ秋山へ連絡を入れたが、マーシャルも含めて音信不通となっていた。その状態が2週間くらい続いたが、秋山のことだから大丈夫だろうと思いながらも、俺は荷物をまとめて成田空港へ来ていた。 事件に関連性はなさそうだが、一人の日本人が、アメリカで十字架に張り付けになって殺害されたそうだ。 そして、ちょうどその日、イタリアで死者千人を越す新型ウィルスが流行した。 秋山。。俺達に当分、休暇はなさそうだ。。
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