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ゴッドの顔はあきらかに日本人の顔をしていた。
白髪に騙されるところだったが、顔を見ると若さが目立つ。当然、プリンターなどはないから印刷とまではいかなかったが、私は脳裏にその顔を刷り込んだ。
いくら顔が割れたとしても行方がわからなければ意味はない。ましてや名前も知らない相手となるとこんなにやっかいなことはなかった。時々、大場から報告はあるものの、お互い獲物捕獲までいかないのが現状だ。
大場も薄々気づいてると思うが、そもそもマーシャルで何故、細菌兵器を作る必要があったのか?アメリカはどこかと戦争するつもりだったのか。。もう一度、リネンの部屋を調べてみたくなった。
そんな中、アメリカ北部で『新型ウィルスに感染した牛が突然正常に戻った』との情報が入ってきた。
ここで不思議なのは、新型ウィルスに感染したら、人間も含めて、抗体を開発していない限り、突然正常になるはずがない。
なんとも不思議な事件に私は現場へと向かっていた。
現場はとある牧場。その中に一頭だけ隔離された牛が、ケロっとした顔で私を見ていた。
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