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運命のアメリカへ着いた。
このとき、私も大場も少しでも嫌な気持ちがあれば帰っていたに違いない。やけくそ半分興味半分で、帰るという選択肢は除外されていた。
「空港内も警備が厳重そうだし、秋山早く行くぞ」
後は、バスやタクシーを乗り継ぎ基地へと急いだ。途中からは歩きでないと入れない区域に入り、私達は疲れ切っていた。
『マーシャル軍事基地』
「長官。日本から特別捜査班がまいりました。」
私達が通されたのは長官の『リネン』の元だった。世界中の捜査班がいる中、リネンの元へ行けたのは私達だけだったようだ。どうして私達だけが呼ばれたのか疑問だったが、その答えはすぐに跳ね返ってきた。
「秋山、大場、この写真を見てほしい。」
長官の机からおもむろに出された写真に私達は言葉を失った。
さすがは軍事基地だけのことはある、防犯カメラだけでも千台は越えていただろう。当時からしてみれば防寒具を付けずに山を登るくらいすごいことだった。
写真には後ろ向きではあるが、男性が2人写っているのが分かる。一人は白髪で、もう一人は黒髪だ。カメラにはその2人しか写っていなかったのだ。
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