第1章『二人の刑事』

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だとすれば、この二人に細菌を盗まれたことになる。 これだけ膨大な規模の基地で、セキュリティは万全。それをたった二人の人間にやられたことになる。 しかもこんな堂々とカメラに写るくらいに。マーシャルの中では『デビル&ゴッド』と呼ばれ、白髪はゴッド、黒髪はデビル。などと、いいように噂になっていった。 白髪はともかく、黒髪はどうみてもアジア系だ。だから私達が呼ばれたのだろう。手掛かりといえばこの写真のみで、他にはなにも発見されていない。 当時はまだメールなどなかったため、日本で過去の履歴を調べるのに、写真などは持ち帰って洗うしか方法はなかった。 まずはこの写真から手掛かりを捜すしかないため、大場には申し訳ないが、彼を一度日本へ帰らせることにした。 「大場、すまないな。せっかくアメリカまできたのに。」 「気にすんなよ。それよりわかってるよな?」 「あぁ。お前も日本で頼むな。」 そして私達は長い、長い、別行動をとることになった。
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