第2章『知略的悪魔』

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あの日は今と同じくサークル活動をする学生のみで、教授なども入れ代わりで休みに入っていた。いつものように報道サークルのメンバーはカメラを片手に校内をうろついていた。最近起きた、大学で飼育されているウサギが変死した為その調査も兼ねて揃えたてのビデオカメラも持っていたという。 彼らはなにげなく校内にいる学生に話し掛け、ウサギ変死事件の真相を探ろうとしていた。 「あ、刑事さん。この子のインタビュー中です。急に食堂が騒がしくなったので撮影したまま食堂に行ったんです。」 俺は彼らが撮影したインタビュー像をかじりつくように見ていた。 映し出された、食堂の映像は地獄絵巻を見ているかのようだった。男子生徒は嘔吐物を撒き散らし、カップルは痙攣を起こし泡を吹て倒れ、女子生徒に関してはうずくまって下痢と嘔吐が止まっていなかった。 これって食中毒の症状か?いや、食中毒にこんな速効性はない。だとしたら。。 勢いよく椅子から立ち上がると彼らが俺を引き止めた。 「刑事さん見てください、このあとです!」 そう言われてテレビに目をやったが、一瞬校庭が写って砂嵐になった。 「何もないが?」 「今一瞬出た、校庭の画面で映像を止めてみます。ほら、この校門のところ見てください。」 あ!!!!そこにやつはいた。
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