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狂気と快楽の街、三宮。
「ありがとうございましたぁ」
女の猫なで声。接客術。
「はあ~つかれた。ねえ、リューちゃん。調子はどう?」
「うるせえな」
「可愛くないわねぇ」
風俗嬢独特の余裕。
俺は今、三宮の小せえ風俗店"ピンクデビル"で働いている。
バカみたいに輝くネオン。三宮の風俗街は田舎に一つあるパチンコ屋みたいにワザとらしいまばゆさだった。
「リューちゃん。店の前に何か不良がたまってるのよぉ。何とかしてよ~本業でしょ」
オカマの店長。こいつも妙に馴れ馴れしい。名前は長浜春樹。
まあ、実質……俺の今の仕事は従業員兼、用心棒なんだが。
「分かった。金は貰うぜ」
「うふん、そのお金に対しての素直さも好きよう」
「うっせえ」
俺は店の外に出た。
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