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ミヅハ「ねぇ、ジュン……」
ミヅハがジュンの名前を呼んだ。
名前を呼ばれたジュンは、下を向くと俯きもじもじしたミヅハが目に入った。
心なしか顔が赤い。
ジュン「どうした?ミヅハ」
ジュンが呼ぶとミヅハは顔を上げた。
ミヅハ「あ、あのね……寝る場所なんだけど………」
ジュン「ん?ベッドなら向こうの部屋にあるけど?」
ミヅハ「ううん、違うの!!」
ミヅハは首を横に振った。
ジュン「じゃあ、何だ?」
ミヅハ「うん………そのね………一緒の……部屋で寝ない……?」
ジュン「へっ!?」
ミヅハの口から出たのは驚きの言葉だった。
ミヅハ「嫌ならいいけど……」
ジュン「い、嫌じゃないけど、ほらあれだ…まだ会ったばっかりの男女が……」
ポタッ
何かが落ちる音がした。
ジュンは下を向くとミヅハが俯き、震えていた。
ミヅハ「私………一人が怖いの……いつもはお花達がいたけど、部屋の中にはあんなに入らないから………暗い所で一人ぼっちはもういやぁ………」
俯いたミヅハの頬に光る物が見えたと思ったら、床に落ち、弾けた。
……………涙だ。
ミヅハは泣いているんだ。
ジュンは床に膝を付き、ミヅハの頭を撫でた。
ミヅハ「………ジュン……?」
ジュン「ごめんな。お前がそんな思いしてるなんて知らなかったからってあんな事………その償いって言ったら変だけど、できるだけお前の願いを聞いてやる。それが俺にできる事ならやってやる。だから、泣かないでくれ」
ジュンはそう言ってまた頭を優しく撫でた。
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