忘れない初日

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  「ぎゃあっ!」 「えっ!?」 「パンツ! 丸見えだったよ!」  両手で顔を覆いつつ(指の隙間からこっちを見ながら)女の子が叫んだ。あたしは嘘っ! と叫んで慌てて周りを見る。幸いあたしとその子以外はいないみたいだ、よかった。 「ほんと! 白にピンクリボン! あっ、でも見てないから大丈夫!」 「見てるよね! 明らか見てるよね!」  親指立てて弁解するその子はその後すぐに笑いはじめた。変な子、それがあたしのあかりの第一印象。 「てか意外に大胆なパンツでびびった!」 「言わなくていいからっ!」  最悪な出会いだったのは言うまでもない。それからお互いに笑いあって一緒に帰った。あたしにもあかりにもこれが高校で初めての友達。 *
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