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「これはこれは失礼しました、と。それにしても、こんな子供が手柄を立てるなんてびっくりだなー」
ベルゼは手を引っ込めると、調べるように2人を眺める。
「じろじろ見んな」
「ちょっ、フューリーっ!!」
噛みつくような視線を送るフューリーの手をリヴェスが引っ張って制する。
「ヴェールー、俺なんか嫌われるようなことしたかぁ?俺しょんぼりだわ」
「そういう態度が大問題なんですよ……」
はぁ、とヴェールは呆れたように溜め息を吐く。
「何はともあれ、今回は遊園地の損害はあれど民に大きな怪我はなかった。それが重要だ。この件に対して貢献者になるお前らには礼を言わなきゃな。ありがとう」
歯を見せて屈託なく笑うベルゼの表情。
大人の男性のはずなのに、まるで子供のような笑顔を見せる。
団長という重みのある立場にいるのにも関わらず。
それをリヴェスは、何故かかっこいいと思ってしまった。
「あ、あのっ、団長さん!」
「ん?ベルゼでいいぞ」
「じゃあベルゼさんっ!!どうやったらベルゼさんみたいな騎士になれますかっ!?」
リヴェスはキラキラした眼差しでベルゼを見上げている。
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