逃げようか、さぁ。

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「行くっていっても、どこに?こんな騒動が起きたんなら、ここにはいられないんじゃないかなぁ……」 リヴェスは時々、現実的な事をいう。 確かに、こんな騒動が起きてしまったのでは急遽閉業などの可能性もある。 「それなら問題ありません。ここら一帯は封鎖させていただきますが、他は通常どおり営業可能ですから」 「だってさ。だから他の場所に行こう」 ヴェールがそう言うなり、フューリーはリヴェスの腕を引いていく。 心なしか急いでいるような気がする。 「え?うん……?」 それに従わざるを得ない何かを感じて、リヴェスはフューリーに付いていった。 ヴェールとベルゼに背を向けて、引かれる手を握り締める力は強くて。 リヴェスは何がどうなっているのか理解出来なくて、フューリーは苛立ちの原因を知っているからこそ苛立っていて。 何かがかみ合わないまま、2人はその場を後にした。  
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