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真央さんって本当に昔何かあったのだろうか?
その言葉は頭をよぎるが、時々見せる悲しげな瞳を見ると、やっぱ何かあったんだと確信する。
あたしが落ち着くと真央さんはニコッと微笑んだ。
「もう、大丈夫ね? ご飯出来たから、並べるの手伝ってくれる?」
あたしは、はいとしか選択肢はなかった。
真っ白なテーブルを拭き、箸を並べているとリビングの扉が開いた。
イチだった。
お風呂上がりらしく、ほんのり火照っているイチは可愛かったが、少し濡れている髪にラフな格好をしているイチはかっこ良かった。
「お風呂入ってきちゃった。おっ、杏奈ちゃんがお手伝いしてる~」
いかにもバカにしているイチを無視し、真央さんの元へ。
ひどいっと嘆いているイチは当然無視。
「一無視されてる」
笑う真央さんもまた綺麗だった。
なんでこんなに真央さんのこと慕ってるんだ、あたし。
「うるさーい。なんか昔の真央思い出すし」
確かにと笑いながら真央さんは何かを運んできた。
何かはチャーハンとスープだった。
「はい、並べてー」
言われた通り、あたしはチャーハンとスープを並べる。
なんか、あたしらしくないね。
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