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あー、うるさいっ。
もうすぐで日付が代わるってのに、なんで夜の街ってこんなにうるさいの?
家に真っ先に帰って家族の元へ帰らなきゃいけないサラリーマンはキャバクラででれでれ?
奥さん、泣いてんじゃないの?
「……ちょっ、やめてっ…。いやぁっ」
あー、かわいそうに。
きっもい顔のお兄さん達に襲われてるよ。
綺麗な顔が、涙のせいで顔がぐしゃぐしゃだよ。
しかもみーんな、見てみぬふり。
何?
世の中腐ってるね。
あたしは、そんなお前らとはたいして変わらないかもしれない。
あたしは、腐ってる。
……でも、お前らほどじゃないよ。
今から証明してやるよ。
あたしは公園のベンチから立ち上がり、傍に置いていた枯れ葉をノーファーで踏み潰す。
もうすぐ、秋かっなーんて思ったり。
あたしの姿を光りが照らしてくれた。
月の光りみたいな綺麗なものじゃない。
この東京に月の光りはささない。
あたしを照らしてくれたのは
いやらしく光るネオンだった。
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