ネオン

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あたしは押し倒されてる女がいる茂みに歩みよった。 「…っ!? 誰だ!?」 あたしの足音に気付いた、キモ男達が振り向いた。 あたしは何も言わずに女の目の前に立った。 女を庇うように。 「んだてめぇ? 犯されたいのかぁ!?」 「嫌だね」 「はぁ!?」 キモ男達の一人が興奮して、あたしの胸ぐらを掴もうとしたときだった。 「いっ、いやぁあ!!」 女はあたしを突飛ばし、キモ男達の視線があたしに向けられているすきに逃げていった。 あたしは突飛ばされたため、茂みに倒れてしまった。 「あーあ。せっかく助けたのに逃げられちゃったね」 皮肉たっぷりに言うキモ男その1。 他のキモ男は憎たらしく笑いながらあたしに少しずつ近づいてきた。 だめだ。 あたし犯されちゃうや。 「君、女子高生?」 そりゃ、制服着てんだからわかるだろ。 「結構可愛い顔してんじゃん」 「つか、さっきの女より可愛いくね?」 そりゃ、どーも。 自覚してますから。 キモ男その1が屈み、あたしと目線を合わせてきた。 本当、キモいね。 「君、家出?」 バカじゃないの? そんな逃げるようなこと、あたしはしねーよ。 「ま、いいや。ヤっちゃおうぜ」 「待ちな」 キモ男達はあたしが放った言葉に固まった。 「タダでヤらせねーよ」 キモ男その1はふっと鼻で笑った。 そして言った。 「いくら?」 腐ってる。 本当世の中腐ってる。 あたしはこんな世界 大っ嫌いだ。
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