ネオン

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男はあたしに近づいてきた。 あたしはその様子をじっと見ていた。 「大丈夫?」 男はあたしに手を差し伸べてきた。 あたしは無視し、自力で立った。 スカートに付いた枯れ葉をとっていると、 「髪の毛にもついてるよ?」 あたしの自慢のサラサラのセミロングの髪を触ってきた。 とっさに、あたしは男の手を払った。 「金も出してねぇのに、あたしに触んじゃねぇ!!」 男は目を真ん丸くしていた。 意外と整った顔立ちをしていた。 しばらくの間見とれてしまった。 「あ、ごめん…」 ………はぁ? 「なんで誤るんだよ」 頭おかしいんじゃないの? 「いや…、触っちゃったからさ。お金出してないのに」 美形なのにバカとは。 しかも金のこと、お金だし。 なんだ、こいつ。 しゅんとしていた男がいきなり、はっとした。 コロコロ表情変わる奴だな。 「君っ、お金っていったよね!?」 あーあ。 ばれたか。 「あんたが考えていること当たってるよ。あたしは身体売ってる」 何? お説教でもしてくれんの? あたしは仁王立ちしていると、男はじっとあたしの目を見て言った。 「君はどんな傷を背負ってるの?」
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