ネオン

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公園を出ると、イチの車が止まっていた。 なんつーか、 「イチ、車の駐車下手くそ?」 「イチじゃないってばっ。 なんか、後ろ姿が昔の真央に似ててさっ。ほっとけなくて駆け付けちゃったんだ」 えへへって頭かく姿が子供にしか見えない。 「イチ何歳?」 「イチじゃないって。…まぁ、いいや。26歳です」 …………。 「えー!? 四捨五入したら、30歳!? 23歳にしか見えないんだけどっ!!」 はっと気付いた時には、もう遅かった。 あたしらしくない。 あたしは常に、冷静、クールビューティーを保ってたのに。 イチの顔が見れず、下を向いてると 「…………ぷっ」 必死に笑いを堪えているイチがちらっと見えた。 「なんで笑うのよ」 「ごめん、ごめん。なんだ、明るい子なんだね」 ニコッと笑うイチ。 不覚にもドキッとしまった。 「うるさい。じじぃが」 「失礼ねっ。まだ、ぴちぴちよ」 「キモい」 ひどーいっと泣く真似するイチを無視したのは言うまでもない。 イチはため息をつき、ピッと車のロックを解除すると 「どうぞ」 助手席のドアを開けてくれた。 あたしは素直にイチの車に入った。 いつもなら、警戒心バリバリなのに……… イチなら大丈夫。 なんて思う自分がいる。 バカだな、あたし。 まぁ、いーや。 イチかっこいいし、タダでヤらしてやってもいっか。
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