思いを馳せた姫

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たったそれだけの理由なのに、一瞬にして犯罪者と化してしまった誘拐犯さんに何だか同情の念が生まれてしまったことは否めない事実。 「君は、怖くないん?自分を誘拐した奴と普通に話してて。逃げようと思ったら逃げれるし、ここは防音でもなんでもないし大声を上げたら誰か助けてくれるかも知れんのに」 確かに今の自分は驚くほどに冷静で、恐怖心なんてカケラも存在していなかった。それはこの誘拐犯さんが穏やかで優しそうな人だからなのか、は謎だけれど。          
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