思いを馳せた姫

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暫しきょとんとしていた誘拐犯さんは、くつくつと笑い出して次の瞬間には腹を抱えて大爆笑し出した。ああ、やっぱりこの人の笑顔は優しいな。 「あははっ 君、おもろいな?誘拐してよかったかも」 「そりゃどうも」 暫く笑い転げた誘拐犯さんは、目尻の涙を拭いながらあたしの前に正座した。 「俺、大倉忠義」 「あたしは若葉秋緒」 『――よろしく』          
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