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「ふわあ…」
ちょうど欠伸を漏らした次の瞬間、零時を知らせる時計の音が響く。そりゃこんな時間になれば欠伸も出るわ、とひとり納得。
「もうこんな時間か」
紅茶を注いでいた錦戸はちいさく呟く。ほのかに鼻孔をくすぐる紅茶の香りがまた睡魔を誘い、心地のいい気持ちになる。
「そろそろ寝るか?」
「うん、そうする」
錦戸はティーポットを片付け始め、せっかく用意してくれたのに申し訳ないな、と少し罪悪感を覚えた。
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