62人が本棚に入れています
本棚に追加
食事をしているうちに、2人はすっかり打ち解けていた。
なんと時間が過ぎるのが早いことか。
すでに3時間がたっていた。
渚「そろそろ帰ろうか…」
優「あ…はい。今日はどうもありがとうございました。美味しかったです。」
渚「うん……………」
今日は普通に楽しかった。
明日からは会社かぁ……
あんなに頑張ってやったんだから、休み欲しいよ。
優「渚さん…泣いてる」
渚「えっ……?」
優也に言われて初めて気付いた。
頬に涙がつたっている。
寒さに体が耐えられなかったのか
別れるのが悲しかったのか
いつしか渚は涙目になっていた。
渚「いや…。泣いてないわよ。何言ってんの……」
平然をよそおうとするのに、優也は私の努力をことごとく崩してゆく。
何で……
考えようとすればするほど、涙が止まらなくなる。
嫌だ
優「何かあった?」
渚「何もないっていっ……」
渚の言葉を最後まで聞かず、優也は渚を抱き寄せた。
まだ大人になったばかりの体は、渚よりとても大きかった。
渚「離して…」
優「……」
返答はなく、代わりに体が締め付けられるほどに抱きしめられた。
渚「離しなさいよ!」
優「何も言わなくていいですよ」
渚の目には大量の涙が溢れていた。
自分でも分からなかった。
心で思うより早く、身体が反応しているのを認めたくなかった。
優也は渚を抱きしめたまま、それからは何も言わなかった。
.
最初のコメントを投稿しよう!