新入社員

2/11
前へ
/459ページ
次へ
渚「…はぁ………」 嘉「先輩?何かあったんですか?」 渚「いや…何も…」 会社に来たものの、また仕事は中途半端。 なかなか悩みが消えない。 渚(どうしようか……) 渚が悩んでいるのも知らず、後輩の嘉戸(かと)は横から口だしする。 嘉「そういや、今日新入社員が来るそうですよ」 渚「こんな忙しい時に……」 部長の気まぐれも、たいがいにしてほしい。 噂通り、新入社員を連れて、部長は鼻高々と私たちの前に姿を現した。 部長「みんな!!今日からこの会社で働くことになった中村裕一くんだ。」 部長が高らかに紹介して、現れた『少年』は、かなりの美形だった。 何故か、優也を連想させる。 まだ子供だからか… 裕「今日からよろしくお願いします。」 部長「席はそこだ」 裕「はい……」 きちんと頭を下げた裕一は、部長に言われるがまま、席へ。 新人にしては、しっかりしている。 社員「きゃー!!カッコイイよね!!」 社員「あたし、ねらっちゃおうかしら」 嘉「先輩……あの新入社員モテモテですね…」 嘉戸は、顔が引きつりながら裕一を見ている。 私は顔を合わせぬまま。 別に興味などない。 今は優也が気になって仕方が無い……。 渚「あっそう。まあ、いいんじゃない?」 嘉「先輩……嫉妬してるんですか?」 渚「違うわよ!さっ!仕事仕事!」 勘違いされ、少し戸惑った。 戸惑った時点で、興味があるということだが、あえて自分を否定した。 .
/459ページ

最初のコメントを投稿しよう!

62人が本棚に入れています
本棚に追加