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新入社員の自己紹介が終わった後、他の社員が騒ぐのも気にせず、渚は自分の席に座った。
渚(昨日の事は忘れなきゃ…集中集中)
そう頭に言い聞かせ、パソコンをうち始めようとした
……が、目の前に座った新入社員がこっちを見ている。
見ないフリをしようとしたが…………やはり気になる。
渚「何?」
裕「綺麗だなぁって思って…」
一瞬ドキッとした。
渚「ふざけないで、仕事しなさい」
渚(こいつ女慣れしてるな…。私より若いから当たり前か…)
裕「俺、中村裕一っていいます。宜しくお願いします。
えーっと…((名札を覗き見する))…白石…渚先輩。」
渚「よろしく」
パソコンの画面を見たまま無愛想に挨拶を返した渚に、裕一はひそかに笑った。
部長「白石!」
渚「はい」
部長が話しかける時は、決まって迷惑な事が多い……嫌な予感がした。
部長「中村くんに仕事を教えてやってくれ」
渚「や…でも部長、私仕事が…」
新入社員に教えるのは慣れているが、この『女慣れ』の世話はごめんだ。
部長「いいから…な!頼む」
予感的中だ。
嘉「大変ですね先輩。」
渚「余計なお世話」
渚「ん~あー…疲れたぁ」
時計を見ると22時を回っている。
社員はほとんど帰ってしまい、この部屋には私しかいないようだ。
よく考えてみると、さっきからおなかが痛い。
それもそのはず、昨日の夜から何も食べてないのだ。
渚(何か食べに行こっか)
と席を立った瞬間、目の前を見て驚いた。
渚「は!?」
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