出会い

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またいつもの朝が来たー。 いつものように渚は自転車に乗っていた。 駅の駐輪場に停めると、渚は電車に乗り込んだ。 渚は33歳の平凡なOL。 いや、悪く言えばおばさん。 結い上げた黒髪 睡眠時間を擦り減らしてまでの 化粧 最近買った洒落たスーツに身を包んでいる。 部長「白石くん。今日ちょっと残業できるかな?」 渚「あっ、はい」 渚は素直にうなずいた。 誰に頼まれても嫌な顔ひとつしない。 …ように見せている。 部長「お疲れ様。もう上がっていいよ」 残業を終えると、上司が気遣うように言った。 渚「はい。失礼します」 仕事をきっちりこなした渚は、丁寧にお辞儀をして会社を後にした。 会社の帰りも、寄り道をするまでもなく駅に向かう。 駅前のアーケードに差しかかると、ひとりのお婆ちゃんがスーパーから出てきた。 重そうな荷物をさげ、よろよろ歩くお婆ちゃんは、歩行者とぶつかって尻もちをついてしまった。 渚「大丈夫ですか?」 すぐに渚は駆け寄ると、お婆ちゃんを抱き起こした。 婆「あぁ、ありがとう……」 歩道に落ちた買い物袋を拾ってあげると何度もお辞儀をしながら、お婆ちゃんは歩いて行った。 電車から降りた渚は、まっすぐ駐輪場に向かった。 ……だが無断駐輪の自転車があって、なかなか出すことができない。 渚「ハァ……」 ため息をついた渚がもう一度自転車に手をかけた時だった。      
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