62人が本棚に入れています
本棚に追加
部長の説教は、何とかまぬがれた。
席に座り、書類に目を通す。
集中、集中……
『何かあれば、かけていいから』
渚「……」
いつもは集中できるのに、優也のことが気になって仕事に身が入らなかった。
嘉「先輩?何やってんですか?その書類はこっちですけど…」
渚「あぁ…ごめん…」
嘉「……何かあったんですか…?」
渚「いや…。何も…」
嘉「その顔は恋ですね…」
渚「何もないって言ってんでしょ!」
嘉「先輩、経験ありの私から言っときますけど…。この年で恋にハマるのはちょっと難しいですよ」
渚「……わかってるわよ。」
口ではそういいながらも、実のところ全くわかっていなかった。
渚(今日送ってもらったしな………。お返ししないと駄目だよね…)
無理矢理、会う口実を立ててしまうほど、重傷だ。
仕事が一段落した渚は、優也に電話をした。
……が、
なかなかボタンが押せない。
渚(やっぱりやめようかなぁ)
………。
いや、やはりここは、お礼をしなければ。
無理矢理自分に言い訳をし、思い切ってかけてみる。
最初のコメントを投稿しよう!