25246人が本棚に入れています
本棚に追加
「お前たち自身は、どう思ってんだ?」
「…………」
あえて明言を避けてそう言えば、再び沈黙が返ってくる。
そんな生徒たちに、俺は何度目かわからない盛大なため息をついた。
「考えているところで悪いが、時間がない。
ここで逃げてもいいし、辛酸をなめながら学校に縋り付いてもいい。」
わざと辛辣な言葉を並べ、その表情を見遣る。
きっと今の自分は、冷徹な人間に見えるだろう。
そんなことを考えていると、下から気色ばんだ声が響いた。
「てめぇ、さっきからぬけぬけと……」
そう言って、燃えるような瞳を向けるエイト。
言葉には出していないが、アンリも同じような視線を向けていた。
「間違ったことを言ったつもりはない。」
「てめぇっ!」
とどめとばかりにそう言えば、エイトが俺の襟元を掴む。
そして殴りかかろうと拳を振り上げた瞬間―――
.
最初のコメントを投稿しよう!