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その何とも言えない音に、ルチアは顔を歪めながら耳をふさいでいる。
ちなみにベルハルドの都合のいい耳には聞こえていないようで、ヘッドフォンから流れる音楽を心地好さげに聴いていた。
まぁ哀れにも縛られているエイトが耳を塞げるわけがなく、あの嫌な音の餌食となっている。
もっと酷いのは一番近くにいたルアンで、涙目になりながら震えていた。
ジュリーは―――言うまでもない。
「あんたたちがあいつを知らなくても、全く関係ないのよっ!
とにかく、あいつは抹殺する……」
「―――なぁ、何があったわけ?」
アンリのあまりの剣幕に若干怯えながら、ルチアはルアンに近付いていく。
ちなみによく名前が似ているねって言われるが、二人が兄弟っていうわけではないので悪しからず―――
まぁそんなことはどうでもいいとして、ルチアはアンリを気にしながら小声で尋ねてきた。
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