25244人が本棚に入れています
本棚に追加
その焦りが、いつもベルハルドのピュアなハートを傷付けるらしい。
まぁやはり表情が変わらないため、その事実に気付いているのはルチアだけだが―――
「ベルちゃんもこう言っていることだし、呼びやすいように呼んだら?」
「でも……」
やはりあの強面を見てしまうと、そんな可愛らしいあだ名で呼ぶことは躊躇われる。
ちなみにこのあだ名は、ルチアがつけたらしい。
おそるべし、そのネーミングセンス―――
「まぁいいとして―――この馬鹿げた作戦、やっぱ降りれない……?」
「ジュリーのことになると、アンリは歯止めがきかないから……」
「…………」
心底嫌そうな顔をするルチアに、ルアンも小さくため息をつく。
ベルハルドは、もちろん無言だ。
「アンリにとって、ジュリーが一番の友達だから―――取られたくないって思っているのかもしれないね。」
.
最初のコメントを投稿しよう!