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そこには、何故か散らばる掃除道具。
ちなみにこの教室を掃除するような物好きがいるわけがなく、新品同様である。
そしてこれまた何故か、そんな掃除道具の下敷きになっているエイトがいた。
「…………」
この不思議な状況に、誰も口を開くことができない。
そんな微妙な沈黙の中、屍のようだったエイトがゆらりと立ち上がったのだ。
しかも、いつの間にか彼の自由を奪っていたロープが切れている。
彼は自由になったその力強く大きな手をゆっくりと口元に持っていき、さるぐつわを外した。
そして―――
「その面白そうな作戦―――乗ったっ!」
どこか血走った瞳をアンリに向けながら、しっかりと大きな声で言いきったのだ。
「あっ、そう……」
そんなエイトのいきなりの言葉に、さすがのアンリも微妙な言葉しか返せない。
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