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「おい―――ターゲットが動いたぞ?」
ガサゴソと植え込みが動いたかと思えば、そこから何故か少年の頭が飛び出る。
その手には、何やら黒くて小さな箱のようなものが握られていた。
「なぁルチア―――本当に、これで離れた相手に声を伝えられるのか……?」
何故か植え込みから飛び出ている少年―――ルチアに、ルアンは不安いっぱいの視線を向ける。
「しかも、何故眼鏡……」
変装のつもりなのか、ルチアの顔には眼鏡がかけられていた。
しかもどこから持ってきたのか、あまり見たことのないごつい黒縁眼鏡である。
ちなみに、ルチアの視力はかなりいいと聞いたことがある。
「わかってないなぁ、ルアンは。
探偵と言えば、やっぱり変装でしょっ!」
「…………」
あれ程嫌がっていたのは、どこのどいつだか―――
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