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今目の前にいるこの少年は、瞳をこれでもかと輝かせている。
「―――そういえば、ルチアって何気にお祭り好きだっけ……」
そう言って、ルアンは小さくため息をつく。
何が楽しくって、休みの日に先生の尾行なんかをしているんだろう―――
まぁことの発端はアンリだが、何故かみんなノリノリだということをルアンは知っている。
「おいおい、何地味な顔してんだ?」
「…………」
ルチアの弾けた声に、ルアンは再びため息をつく。
地味な顔って、どんな顔だよ―――
確かに、自分の顔に華がないのは知っているけど。
「ほら、早くしろよ。
ターゲットがいっちゃうぞ?」
「はい……」
まだ何もしていないのに、すでに疲れてしまったルアン。
今さらだが、何故このコンビなのだろうか―――
まぁ全く喋らないジュリーと一緒じゃないだけ、会話には困らないが。
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