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まぁそこがエイトらしいのだけど。
「ったく、いつまで突っ立ってんだよ。」
「あっ、ごめん……」
いつの間にか現実逃避をしていたようで、ルチアに手を引かれたことによって我に返る。
そしてそのままルチアに引っ張られていった。
男同士で手を繋いでいるこの状況って―――考えないことにしよう、うん。
「そういえば、あの人ってどんな人なわけ?」
見つからないように壁に張り付きながら、ルチアが聞いてくる。
そういえば、ルチアはちゃんと先生と話してなかったっけ。
「何と言うか―――不自然な先生です。
僕たちのことを、対等に見てくれる……」
「ふぅん……変わり者だね。」
こちらに背中を向けているせいでルチアの顔は見えなかったが、その声が一段下がった。
「変わり者ってことは、俺と同じか。」
「ルチア……」
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