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「べっ、別にいいよっ!
どうせ計画では、この後合流することになっているんだから……」
「ククッ―――照れてやんの。」
「てっ、照れてませんよっ!?」
つい怒鳴ってしまうが、僕はふと気付いたように自分の口を押さえる。
そういえば、今は尾行の最中だった―――
一応隠れながらではあるが慌てて先生の姿を探し、ほっと安堵の息をつく。
「よかった……」
どうやら、先生たちには気付かれなかったらしい。
僕は安堵と疲れの混じったため息をつくと、ルチアの袖を引いた。
「とにかく、作戦通りにしよ。
僕たちの役目は……」
「ターゲットを見つけ次第、まずは尾行。
そして、速やかに他のメンバーに連絡―――だろ?」
「―――覚えているならいいよ。」
まだニヤニヤしているルチアに若干苛立ちながらも、僕は視線を前に向ける。
「連絡は、ルチアに任せるから。」
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