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別に帰ろうとしたわけじゃないのに、少し離れただけでアンリに怒鳴られる僕。
ということは、近くにいてもいい―――?
僕は何とも単純な自分の思考に内心苦笑を零しながらも、アンリたちの距離をつめた。
「おりょっ……ターゲットが、右に曲がったぞ。」
一人葛藤する僕など知らず、ルチアは相変わらず楽しそうに探偵ごっこをしている。
まぁ本人は本気なのかもしれないけど、所詮素人なのだから遊びにしかならない。
しかしそんなルチアの報告で表情を真剣なものにする僕たちも、それなりにこの探偵ごっこにはまってしまったのかもしれない―――
「もうすぐエイトたちも合流する―――私たちは、このまま尾行を続けるわよ。」
「ラジャ~」
隊長の一言に、ルチアはニヤニヤしながら敬礼する。
そんなことをしているうちにエイトたちとも合流して、どこに行くのかわからない先生の背中についていった。
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