ぐうたら高校生

3/8
前へ
/827ページ
次へ
来訪者がいると全く気付いていない、安らかな寝顔。 その安心しきった表情は、16歳とは思えない幼さを見せていた。 「起きろよ、シズ。」 ためしに肩を揺すってみるが、いっこうに起きる気配なし。 こんな固い床で、よくこんなに寝れるものである。 「しかたないなぁ……」 ここで昼寝(?)しているこの少年を起こすのは、生半可なことでは到底無理。 ならば、究極なことをしてやればいい。 そんな極論を頭の中に描きながら、ポケットに右手を突っ込む。 そしてその右手が次に現れた時には、銀色に鈍く輝くナイフが握られていた。 「チェック・メイト……」 右手を天高く振り上げ、眠る少年の首に向かって躊躇(ちゅうちょ)なく振り下ろした。 その時の表情は、最初から最後まで笑顔。 なんの躊躇(ためら)いもない。 あとは鮮血が散るだけ――― .
/827ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25246人が本棚に入れています
本棚に追加