25246人が本棚に入れています
本棚に追加
来訪者がいると全く気付いていない、安らかな寝顔。
その安心しきった表情は、16歳とは思えない幼さを見せていた。
「起きろよ、シズ。」
ためしに肩を揺すってみるが、いっこうに起きる気配なし。
こんな固い床で、よくこんなに寝れるものである。
「しかたないなぁ……」
ここで昼寝(?)しているこの少年を起こすのは、生半可なことでは到底無理。
ならば、究極なことをしてやればいい。
そんな極論を頭の中に描きながら、ポケットに右手を突っ込む。
そしてその右手が次に現れた時には、銀色に鈍く輝くナイフが握られていた。
「チェック・メイト……」
右手を天高く振り上げ、眠る少年の首に向かって躊躇なく振り下ろした。
その時の表情は、最初から最後まで笑顔。
なんの躊躇いもない。
あとは鮮血が散るだけ―――
.
最初のコメントを投稿しよう!