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そんなロイに視線を向け、雫はゆっくりと口角を上げた。
「いくつかあるんですけど、簡潔に言えば俺の助手です。」
研究室の鍵をポケットに入れ、目的の場所に向けて足を進める。
「まずは、魔法薬学の助手。
何気に実験や実習の多い科目なので、正直俺一人では回りません。」
「今まではどうしていたのですか?」
「始めの時期ですし、本当に基礎の基礎をやっていました。」
ロイのもっともな問いに簡潔に答え、雫はため息を零す。
なにぶん魔法薬学科の教員は自分だけなので、授業の時間数が半端じゃないのだ。
まだ始めの優しい内容なら一人で何とかなったが、これからはそうはいかない。
「あと一人くらい、担当教員が欲しいというのが本音です。」
まぁ魔法薬学はどちらかと言えば技能教科に近いので、授業数は元の世界でいう5教科よりは若干少ないが。
それでも全学年を一人でというのは、さすがに厳しいものがある。
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