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そう言って、年若い主人に視線を向ける。
「もちろん、まだありますよ。」
雫はニヤリと口角を上げるが、どこか先程までとは雰囲気が違う。
「雫様……?」
「もし、あいつらが学校に残ることになったら……」
訝りながら声をかけるが、すぐに口を閉じる。
そして静かに雫の言葉に耳を傾けた。
「あいつらのために、力を貸してください。」
足を止め、雫は真摯な瞳をロイに向ける。
「あいつらがここに残るということは、学校と完全に敵対するということ。
そうなれば、俺以外に授業をする教員がいなくなってしまう。」
「つまり、私にも授業を……?」
そう言えば、雫は否定するように首を横に振った。
「先程も言いましたが、授業は俺がします。
ロイさんには、補佐してもらいたいんです。」
本音を言えば、ロイにも教鞭をとってもらうほうがいい。
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